2014年2月23日日曜日

(兄)







取調室   14:20


中年の刑事が机を挟んで

俯いたままの少年を見ながら

調書開いた



刑事

「君が今日、12:45頃から

学校で起きた事を聞かせて、くれないか?」


少年はか細い声で返事をした


少年

「.......はい、分かりました」


刑事

「君は、学校の休み時間

友達と廊下でお喋りをしていたん

だよね、何を喋っていたんだ」


少年

「......はい、僕は友達3人と

話してました

A君がこの前のテストの出来の

自慢をしたあと

僕のテストの出来を聞いて

出来は良くなく

僕はA君にからかわれて皆が笑う


いつもと変わらない話でした」


刑事

「君はいつもA君にからかわれて

いるのか?」


少年

「はい」


刑事

「それから、君はどうしたか

言ってみろ」


少年

「はい、急に頭がボーと

してきて、意識がなくなって

気づいたら

目の前に友達が血塗れで

倒れていて

自分は手にカッターナイフを

持っていました」


刑事は少年を鋭い目つきで

睨み


刑事

「ふざけた事言ってんじゃない!

無意識にやったと言う事か!


相手は重症を負って今病院にいるんだぞ!


命に別条はないが!

傷害罪だぞ!犯罪だぞ!」


少年

「生きてるんですか!

よかった、よかった

本当すみません

本当すみませんでした

う、う、うう〜ー」


少年は涙を流し始めた


本当にこいつがやったのか?

それとも演技なのか?


刑事

「その涙は、演技なのか?

お前はAをカッターナイフで

切りつける時

無表情で

笑い声を出しながら切り続けたと

目撃していた生徒が証言して

いるんだぞ

何故?生きていて良かったと

言った?」


少年は涙が止まり

沈黙した



刑事

「黙るな!

君は見るからにそんな事する

ような奴には見えない


何があったんだ?


きっかけでもあったのか?


教えてくれ動機はなんだ?」


少年は真剣な顔になり

刑事の顔見た


少年

「今から話す事を信じてくれる

と約束してくれるなら

話します」


刑事

「分かった、なんでも

信じるよ

だから、話してくれ」


少年

「分かりました

...............今から二週間前に自分の

中から兄が現れました」


刑事

「兄?」


少年

「はい、僕がお母さんの

お腹の中にいる時

一卵性の双子だったみたいです

でも、生まれる前に兄が死に

自分だけ生まれてきた

みたいです

多分その兄が出て来たと思います」


刑事

「その兄が友達をカッターナイフで傷つけたと言うのか?」


少年

「はい、最初の頃は

抑える事が出来たんですが兄の力が大きくなり

心を支配してきて

最近自分の体を自由に使うように

なりました」


多重人格?


まさか!映画じゃあるまいし


多重人格と嘘を言って罪をまぬがれるきか


見せてもらおうじゃないか

嘘なら直ぐに見破ってやる


刑事

「じゃあ

そのお兄さんに合わせて貰えないかな?」


少年

「兄は普段、人前に出るのを

凄い嫌がります

出てくれるか分かりません」


刑事

「やったのは君じゃ

ないんだろ?

傷害を犯した

お兄さんに聞きたいんだ」



少年

「分かりました

兄と代わります」


そう言うと、少年はガクと頭を

項垂れて、動かなくなった


刑事は、腕を組んで少年を

見つめていると

少年は項垂れたまま

突然声が聞こえて来た


少年

「よくも!俺の事を言いやがって!

糞が!」


今までの少年とは、全く声の

質が違う、低い醜い声で別人の

声だった


刑事は驚きながら


刑事

「君がお兄さんか?」と聞くと


兄はあざ笑うように


「フゥ、そうだよ

俺が兄だ!」


刑事

「君が弟の友達を傷つけたのか?」


「そうだよ!あいつが

いつまでも、馬鹿にされてるからな

死んでないんだろ?

チッ!  しくじったぜ!」


刑事

「君!何て、事を言うだ!」


「うるせー❗️偽善者❗️

てめえには、関係ねえ話だろうが!」


刑事は頭に来て

両手で少年の制服の襟首を掴んで

顔近づけて睨んだ


刑事

「うるせー!餓鬼が!

生意気な事を言うな!

なんだ!この代わりようは!

本当に多重人格か!」


「離せ糞刑事!」



刑事は、なんか、途轍もない違和感

を感じた


...............なんだ!この違和感は


気持ち悪い


おぞましい違和感


刑事の勘がそういってる



何かがおかしい?



刑事は少年の顔よく見た


「いつまで!掴んでだよ!」






口が動いてない






なんでだ?


閉じたまま喋ってるのか?


刑事の右手に湿った暖かい風を感じ


少年の制服の掴んだ右手を見ると



少年の首の下から襟首の

隙間に何かが見ていた



人の顔!



人の顔を潰した様な異物が


目   鼻   口  5センチぐらいの

醜い顔あった



目が刑事を睨み



口が動いた





「...........み、た、な」







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