2014年11月19日水曜日

笑う

笑う




「でさぁ聞いて
もう、嫌になっちゃうよ
うちの親がさぁ
超むかつくの.」

「そうなんだ」


下校時間
誰もいない学校屋上で

友達と二人で
お喋りしていた

いつも
学校終わりに屋上で
友達と喋るのが日課なっている

でも

今日は、友達がよく喋る
満面の笑みでニコニコと
何かを隠すように

いつもは、好きな人の話を
するのに
今日は、一言も話題に出ない

私は、知っていた

友達の好きな人に
彼女が出来た事を

友達が、急に黙り始めた

「どうしたの?」

友達
「ねぇ、知ってる?
あいつに彼女出来たんだって」

「........うん、知ってる」

友達
「私、馬鹿だよね
早く告白すれば良かったのに
中々勇気出なくってさぁ」

「うん」

友達
「でも、お似合いの
カップルだよ
彼女さん
見たけど可愛い子だったよ
私なんかより
お似合いじゃないかな
良かった、良かった」

「嘘つき」

友達
「嘘じゃないよ
本当にそう思ってるって」

「じゃあ
なんで泣いてるの?」

友達の目が涙目で
赤くなっているのを
私は、気づいていた

友達は、強がりで人前弱音を
吐くのが嫌いだ

本当は、強くもない癖に

友達は、慌てて
腕で目を拭いた

友達
「これね
目にさぁ
ゴミがはいちゃって
今日は、風が、強いねぇ
あのね女は、人前で
泣いちゃいけないの

いざと言う時に男の前で泣くか
それか
誰もいない1人の時に泣くもんだよ」

「誰もいないよ」

友達
「え、何言ってるの?」

「ハイ、私は、消えました

ここには、誰もいないよ
私もいない........貴方だけ

今、1人だよ」


友達は、目から
今まで我慢していた
涙が、沢山溢れ出てきて
クシャクシャな顔になった

友達
「........
う、う、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

なんでよ
私の方が好きなのに

なんで彼女なんか
作るのよ!

悔しい
本当は凄い悔しい!

ううううう
わぁぁっぁぁぁぁっ」

私は夕日を見ながら
友達の横にいた

ただ友達の
泣き声を黙って聞いていた 

しばらくしてから
泣き声が止み
ガラガラ声になった
友達の声が聞こえた

友達
「ごめんねぇ
ありがと
なんか
溜まってる物全部出して
スッキリしたよ」

「何!その声
キモい!
貴方誰ですか?
もしかして宇宙人ですか?」

友達
「あんだと
てめー!
誰が宇宙人だって」


友達が、やっと
いつもどうり笑ってくれた


2014年11月5日水曜日

失敗作


失敗作



博士と助手が、実験室で
床に転がっている
失敗作を眺めていた

助手
「失敗したんですね」

博士
「そうだな
完全な失敗作だ」

助手
「成功すると思っていたん
ですけどね」

博士
「駄目だった
君が、実験室に来る前に
暴れ出してね
しょうがなく処分したよ」

助手
「そうだったんですか
残念です」

博士
「大丈夫だよ
失敗の原因は、分かっている
取り敢えず"これ"を処分
してくれないか
ほら、あのマシーンで」

助手
「あの1000℃の高温で
完全に焼きつくす機械ですか
分かりました」

助手は失敗作を荷車に乗せて
失敗作を見つめていた

助手
「成功すると思ったんですけどね
こうやって見ても
本当よく出来ている
"博士"そのものですね
失敗の原因は、なんですか?」

博士
「それは
私のクローンを作ろうと
したことかな
体も記憶も全部全く
同じに作ってしまった事」

助手
「博士.........貴方は
本物ですよね?」

博士
「大丈夫
私は、本物のだよ
自分のクローンを作って
仕事や嫌な事を全部
クローンに任せようと
したのが
間違えだったよ
早くその失敗作を
処分してくれ
早く帰って妻と食事しなきゃ
いけないんだ」

助手
「.........分かりました」

助手は、失敗作を乗せた
荷車を機械の所まで押してる時
失敗作の左手の薬指に目が止まった

そこには
金の指輪がはまっていた