太陽の花
一面に黄色い花に埋め尽くされた
空き地を歩いている
空き地の広さは、テニスコート
2面分ぐらいの広さで
黄色い絨毯をひいてるみたいに満遍なく
埋め尽くされていた
太陽みたいな
咲き乱れた黄色い花弁が
空に向けて
膝くらいまで伸びている
足で花を掻き分けながら
目の前を鼻歌を歌いながら友達が
歩いているのを
私が後に着いて歩いていた
この黄色い花は、
私と目の前を歩いている友達が
二ヶ月前に種を蒔いた花だ
学校の下校途中に友達が
鞄から何か詰まった紙袋を取り出して
「昨日ねぇ
ネットで注文してた花の種が
届いたの
一緒に巻いて欲しいだ
ほら、通学路の途中にある空き地
あそこって
ただの土が剥き出しの
寂しい空き地じゃない
この種を撒いて
お花畑にしたいんだ
一緒に巻いてくれる?」
高校生にもなって花畑とか
お子様ぽかったけど
確かに殺風景な空き地に
一面の花畑になるのを見たくって
「うん、いいよ」と言い
友達と一緒に空き地で、紙袋に入った
種をばら撒いた
昔、家でやった豆まきみたいに
友達と空き地に種を撒き散らし
童心に帰れて面白かった
撒き終わると友達が
私の手を掴んでこう言った
「この花の種は
私とあなたの友達の証
一面が花畑になるの楽しみだね」
私は、照れ臭くなり
「うん」と言いながら
ハニかんだ
それから
通学路を通る時に空き地を
見るのが楽しみになった
心の中で
いつ咲くんだろう?
まだかな?と
思いながら
一面に芽が出るのに
友達と一喜一憂し
花の成長を友達と見守っていた
それから二ヶ月の歳月が経つと空き地は
黄色い太陽の花で埋め尽くされた
でも
違った
空き地だけじゃ無かった
至る所で
太陽みたいな黄色い花が咲いていた
爆発的の繁殖力で
居てるところで"あの花"が咲いてる
種を蒔いた時に、風に飛ばされて
町に巻かれてしまったみたいだ
街路樹の下
斜面の土
アスファルトの隙間から
この季節に咲くはずだった花が
黄色い花に場所を犯されて
何処にも見当たらなくなった
早くこの事を友達に
言わないと
今なら間に合う
この花は、危険な花
目の前を上機嫌に歩いている友達に
この事を話した
「ねぇ
今、直ぐこの花を抜こう
ヤバイって
他の花が咲かなくなってるよ
これじゃ町中.....」
友達の足が止まり
振り返ると私の事を見据えて
言った
「この花
名前知ってる
オオキンケイギクて言うの
特定外来生物に指定されてね
生きたままの運搬や栽培
譲渡などが原則として禁止されてるの
手に入れるの大変だったわ」
「はぁ?
何言ってるの!
あんた!何してるか
分かってるの!」
私は、友達に怒鳴り散らしたから
跪き、黄色い花を手当たり次第に
引っこ抜いた
抜いても、抜いても、抜いても
目の前には黄色い花が
広がっていた
「抜いても無駄よ
根が少しでも残ってると
また、そこから花が咲くわ」
友達が、私を見降ろしながら
笑っている
なんて事をしちゃったんだ
いつしか手が止まり
目から涙が溢れて出て来た私を
友達が覆う様に
優しく体を包んで抱きしめてくれた
「ごめんねぇ
でも
貴方も共犯よ
大丈夫
黙っていれば誰にも分からないわ
二人だけの秘密
種を蒔く時に言ったでしょ
友情の証の花
泣く事なんて無いわ
他の花なんか枯れてしまえばいいの
私達の花だけ咲けばいいの
そう
私達の花だけで
町中を
埋め尽くされて
永遠に咲き続けるの
私達みたいに
永遠に友達よ」
私は、友達と
黄色い太陽みたいな花に囲まれて
考える気力を無くして
身を任せるしか出来なかった
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