2015年2月16日月曜日

夜道

夜道





それは
満月が輝く夜の事だった

職場の同僚と
終電間際まで飲み屋で
クダを巻きながら飲み明かし
家の帰りが夜遅くなってしまった

まだ2月の夜は、吹く風が冷たく
肌に突き刺さる痛さに
耐えながら
足早になり
早く帰ってあったまりたい
酔いも覚めてしまった

帰り道の住宅街を歩いてると
前の方から
カツ、カツとハイヒールの
音が聞こえて来た

前の方に茶色のコートを着た
後ろ姿の女性が歩いているのが
見えた

多分
仕事帰りだろう

周りには
歩く自分と女性しかいなかった

こういう時は、ついつい
意識してしまう

自分が女性に痴漢だと
思われないかと
余計な事を考えてしまう

女性もこちらに気づいたらしく
肩が身構えて収縮し
歩く速度を上げ始めた同時に
満月が、雲に隠れて辺りを暗くした

こうなるから嫌なんだよな

歩く速度を遅くして
距離を置くと帰りが遅くなるし

こちらも
早く家に帰りたい

こういう時は
いつも、歩く速度を上げて
女性を追い抜く事にしている

女性を
追い抜いて離れれば
どちらも意識しないで済むだろう

私は、速度を上げて
目の前いた女性を横を
追い抜いた

カツ、カツと
女性の足音が
小さくなっていくが聞こえた時
カツ、カツ、カ......
女性の足音が聞こえなくなった

立ち止まったのか?

私は、気になり
後ろ振り返ると
女性は消えていた

真っ直ぐな道の住宅街で
曲がる脇道などなく
隠れる場所もない所で

私は周りを見回したが
何処にもいない

雲が流れ
青い光を放つ満月が顔出し
夜道を明るく写した時

ハイヒールの片方だけが
道に転がり
月夜に写した出せれた

よく見ると
ハイヒールの横の
マンホールが少しズレていた

マンホールを凝視している
鈍く動き
低く重い訛りを引きずる静かな音で
ズズズズ、ゴトと
鳴らし
閉まるが見えた

幻覚か?
まだ、酔いが覚めてないのか?

私は、走って
マンホールに近づき
耳を澄ませると

微かな女性の声で
「た.....す.....け.....」と聞こえた

幻覚じゃない!

「おい!大丈夫か!
今助けるぞ!」

私は、直ぐに立ち上がり
マンホールを動かそうとしたが
微動だにせず

近くの交番まで走り
警察官に事情を説明して
警察官と二人で
マンホールに戻ったが

ハイヒールは、無く
静かな住宅街の風景だった

警察官
「何も怪し所ないですね
酔っ払って見間違えたんじゃ
ないですか?」

警察官は、鼻をつまみ
酒臭い俺を疑いの目で見ていた

「本当だ
女性が、マンホールに落ちて
マンホールが勝手にしまったんだ」

警察官
「マンホールとういうのは
特別道具が無いと簡単開けれないの」

必死の訴えも警察官は
取り合ってくれず
1人立ち尽くす私を
おいて警察官は、帰ってしまった

酔いの幻だったんだろうか?

私は、もう一度
しゃがみ込み
道路に両手をついて
マンホールに耳を当て用としたら

耳が冷たい鉄のマンホールに
当たらなかった

あれ?

冷たい吹き抜ける風を
横顔に感じ

マンホールの方を見ると
暗い闇が大きな穴が
目の前に広がり

穴の何か引きずり込まれた

強く背中を打ち
踠いていると腕に何かが
当たったのに気づいた

穴から満月が光で写し出されたのは

耳、鼻、目、口から
顔の穴全部から血を流して
動かない女性がいた

また
あの低く重い引きずる
音が聞こえた

ズズズズ

穴が差す満月の光が
消えていき

私は、必死に手を伸ばし
声を出そうとしたが

背中を強く打ったせいか
声にならず

「し.....め.....ない.....で..く」
ゴト

視界のない暗闇が
私を包んだ










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