別れ
僕は、薄暗い階段を
上がっている
放課後の学校は
太陽が沈み欠けて
窓からの太陽の光り指す
所だけを、赤く染めていた
階段を登りきり
目の前の
屋上の扉を開くと
友達が見えた
フェンスに、両腕を掛けて
夕日を悲しげな顔で見つめている
あんな
友達の悲しげな表情を見る
のは、初めてだ
僕は友達に近づき
明るく声をかけた
僕
「よう!お待たせ
なんだよ、用事て?
深刻顔しちゃってさぁ?
最近、噂の彼女に
振られちゃった?」
友達は首を横に振り
ちょっと笑いながら
僕の顔を見た
友達
「違うよ
あのさぁ、俺、今日、引越し
するんだ!」
僕
「え?」
友達
「ごめんな
今まで、黙っていて
なんか、言いづらかったんだ」
僕は、その告白を
信じられなかった
僕と友達は、家が、近所同士で
小、中、高、同じ学校だった
いつも、一緒に遊び
辛い事、楽しい事、
いつも、二人で分かち合っていた
それに、いつも
僕の事を助けてくれた
僕の家は、母子家庭で
よく、それが原因でイジメられそうになったが
友達が、かばってくれた
よく家に遊びに来てくれて
近所の人から
「まるで本当の兄弟みたいだね」
とも言われた
僕は
永遠に続くと思っていた
僕達、二人は、いつまでも
一緒だと.........
僕は、目から出る
涙を、抑えられなかった
友達
「泣くなよ
だから、言いづらかったんだよ」
僕
「ごめん、でもさぁ
急だったから
本当、急過ぎるよ!」
友達
「悪かったな
それで、さぁ、友達として
最後、お前に言いたい事
あってさぁ」
僕
「何?」
友達
「お前、小学校の時
給食費を盗んだ疑いかかったろ?」
僕
「うん
あの時、かばってくれて
ありがとう」
友達
「あれさぁ
犯人、俺なんだ」
僕
「!」
友達
「いや〜どうしても
欲しいゲームがあってさぁ
ごめんな」
友達は、舌を少し出して
可愛い子ぶって
謝って来た
一瞬、殴りたい気持ちが
込み上げて来たが
押さえ込んだ
もう、最後なんだから
許してあげよう
僕
「いいよ、いいよ
気にしなくって
もう、済んだ事だから」
友達
「そうか、悪いな
後さぁ
お前の好きな子の名前を
教室の黒板に
デカく書かれていた事件
合ったじゃん
あれも、俺!」
マジか!
ちょっと、キツイな
でも、最後だし
そう、最後、最後
悲しい別れの場面だし
僕
「う、う、そうなんだ
気にしてないよ
全然気にして無い!」
友達
「そうか、悪いな
後さ
お前の上履きに納豆が
入ってた事件あったじゃん」
僕
「うん、あったね
あれは、キツかった
あれから
自分のあだ名が、納豆マンに
なったもんな〜
ちょっと、待って!
まさか、あれも!」
友達は、笑顔で親指を僕に
突き出し
友達
「勿論!」と
爽やかな、笑顔で返して来た
意識が朦朧として来て
足元がフラついた
友達
「おい、大丈夫か?」
僕
「あ、大丈夫、大丈夫だから
もう、無いよね
僕、そろそろ、ヤバイかも」
友達
「ああ、多分無いと思う」
僕は、息をついた
危なかった
最後の別れに友達を
殴る所だった
僕
「良かった
良かったのか?
よく分からなくなって来たけど
やっぱり、さみしいよ
別れるのは」
友達
「何言ってるの?
別れねーよ」
僕
「え?何処に引っ越すの?」
友達
「お前ん家
今日から、友達じゃなく
お父さんと呼べ!」
僕
「! まさか!
噂の彼女て、うちの!」
友達
「そうだ、息子.........グッフ!」
ドカ!
僕は、友達(父親)の右頬に
右のストレートパンチが
綺麗に決まった
僕
「今まで、ありがとう
そして、さようなら
僕、旅に出るよ
あ〜夕日が目に染みるな〜」
友達(父親)に別れを告げた
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