変化
ある男のアパートの部屋の中に
女が不敵な笑み浮かべて
立っていました
女の姿は、髪が腰まで長く
顔は色白く、化粧気の無い
まるで幽霊みたいな顔で
着ている服も丈の長いスカートも
地味な紺色
見るからに身体全体から
負のオーラをかもち出していて
包丁を片手で持って男の帰りを
待っていました
この女は、見たまんまの
まさにストーカーでした
「早く、帰って来ないかしら?
フフフフゥ」
このストーカーは
男と無理心中を図ろうと
男の仕事を帰りを、今か今かと
待っていました
遠くから人の歩く音が聞こえて来て
玄関の扉が開きました
ガチャ
「おかえり
待ってぇ..................なんで!」
「貴方、誰?」
玄関の扉を開いたのは
彼氏の交際中の彼女でした
彼女は、今時の可愛らしい女性で
髪は肩までの長さで
軽いソーバジュが掛かっていて
服は、明るい水色の
ミニスカートのワンピース
ストーカーとは対照的な
姿をしていました
「何してるですか!」
「チィ、貴方に用は無いは
帰って頂戴
それとも、死にたい」
ストーカーは彼女に
包丁を散らすかせましたが
彼女は、臆する事無く
ただストーカーの事を下から上まで
観察していました
「何よ!ジロジロ見ないでよ」
「ちょと、一緒に来てくれる」
彼女は、いきなりストーカーの
腕を掴むと、強引に引っ張り
外に連れ出しました
「ちょと、ちょと、
待ってよ!ちょと、何処行くの?」
「いいから来て!」
ストーカー困惑しながも、彼女の
迫力に圧倒されて
慌てて包丁を鞄に
しまい、彼女に引っ張られる
ままついて行きました
連れて来られたのは
ヘヤサロンでした
「ここ、私の行きつけの
お店なの」
「え?だから、何?
入るの、辞めて、こういう
場所、苦手なの辞めて〜
本当辞めて」
「ほら、行くよ」
ストーカーは、彼女に
無理矢理、お店の中に連れて行かれ
椅子に座らせて
店員さんを呼びました
「この人お願いします
軽く染めて、軽い感じにして
髪もバッサリ、切って
ショートにお願いします」
「な、な、な、何を
勝手にい、い、言ってるの!
私は」
「大丈夫、大丈夫
絶対にショート似合うから
私、こういう目利きは
自信あるの」
「いや、いや、いや
そうじゃなくって」
「お願いします〜
あと、軽く化粧も
お願いしちゃっていい?」
「分かりました
綺麗な髪ですね〜
今から可愛いしてあげるからね」
「.........はい」
イケメンの店員にストーカーは
緊張して喋れなくなり
地蔵みたい固まって
されるがままに髪切られて
化粧をしました
ストーカーは、鏡に移る
自分の姿を見て呆然としました
「これが.........私?」
今迄で髪を短く切った事が無く
化粧も生まれて初めてして
ストーカーは
自分の姿に別人の誰かを
見てる様でした
「ほら、私の目利きどうり
似合ってるでしょ
本当綺麗、モデルみたい」
「え?私が、モデル?」
ストーカーは、恥ずかしそうに
顔を赤くして、下を向いて
しまいましたが
彼女が両手でストーカーの
顔を強引に上げました
「駄目!ちゃんと見て
貴方綺麗なのよ
よし!次、行くわよ」
「次て?」
彼女は、またストーカーの
手を引っ張り
今度は、流行りの服が
置いてあるショップに
連れて行きました
彼女は服をストーカーに
当ててみて服を選んでいました
「これかな、いや
こっちかな?う〜ん」
「ちょっと
あんた!何考えてるのよ」
「うるさい!
今、真剣に選んでるの
黙って!」
「う..う.」
「よし、これとこれね
ハイ、ちょっと試着して見て」
彼女が選んだのは
ストーカーが今迄着た事が無い
明るい青いシャツと
ミニスカートでした
「無理、無理、無理
私、今迄で明るい服着た事無いし
ミニスカートなんて.........」
「何?私が信用出来ないの?
センスが無いと言いたいの?」
「そうじゃなくって.........」
「じゃあ、試着して」
ストーカーは渋々
試着室に入り着替えから
出て来ました
「うわ、凄い
想像以上、決まってる
足も綺麗」
「そ、そ、そうかな
エヘヘヘヘヘヘヘ」
「よし、これで決まり
それじゃ
繁華街を歩いてみようか
近くに美味しいパスタ屋さんが
あるの」
「この格好で?」
「当然、ほら、行くよ」
ストーカーは
彼女について行きました
繁華街を歩くと
いつもとは、違う世界が
広がっていました
すれ違う男達からは、視線を感じて
女性からも、羨望の眼差して
見られていました
いつも、人から薄気味悪く見られて
いたのに180度変わり
ストーカーは心の中で
迷いと困惑が入れ混じっていました
「ほら、ピシッと歩いて
皆、見てるわよ、貴方の事」
「私、本当に綺麗なの?」
「綺麗よ、私なんかよりもねぇ
付いた、ここ、ここ
ここのパスタがチョ〜絶品なの
中入ろう」
二人は、お店に入り
彼女の任せるままに注文して
目の前にクリームパスタと
海鮮パスタが並べられた
「さぁ、食べてみてよ
本当美味しいだから
いただきます〜」
「.........」
ストーカーはパスタを口に
つけずに、彼女の事を見ていた
「どうしたの?
食べないの?」
「なんで?なんで
私にここまでしてくれるの?
ストーカーよ
貴方の彼氏に付きまとう
ストーカーなのに
わからない
貴方の考えがわからない」
「ストーカーさん
彼氏の事、本当に好き?」
「当たり前じゃない
世界一好きよ
彼の事ならなんでも
知ってるし
彼の為なんでも出来るわよ!」
「本当?
彼の為なら、なんでも出来る?」
「嘘じゃないは
なんでもするわ」
「分かった
ストーカーさんに彼氏
譲ります」
「!」
ストーカーは、頭の中が混乱した
「いいの、貴方
彼氏が好きじゃないの?」
彼女は悲しい顔なり
首を横に降った
「私も
世界一、彼氏が好きよ
でもねぇ
貴方の方が彼氏に合ってる
気がするの
貴方を初めて見た時
少し手を加えれば
私よりも綺麗になるて
分かったの
貴方なら彼氏の素敵なパートナーに
なるわ」
「そんな.........」
「一つだけ、お願いあるの」
「何?」
「彼氏の事を
いつも笑顔で居させてねぇ
あの人
嫌な事あると
直ぐに落ち込む所が
あるの
だから、その時は、
彼を元気付けて
そばにいてあげてね
うん、それだけ.........
さぁ、パスタ食べよ」
彼女は、満面の笑みで言った
ストーカーは、それを見て
悔しいくなった
悔しくて顔クシャクシャ
になりながら目から涙が零れ落ちた
彼女には、敵わない
全然足元に及ばない
私の負けだと
「どうしたの?
大丈夫?平気?」
ストーカーは、何度も
頭を下げて謝った
「う、う、う、
ごめんなさい、ごめんなさい
私、自分の事ばかり考えてた
彼の気持ちなんて
これぽっちも考えてなかった
こんなに
人から優しくされた事も無いし
う、う、う、
皆から、疎まれる存在だったし
今日、色々してくれて
本当は、凄く嬉しかったの
楽しかった、う、う、う
ありがとう」
「泣かないでよ
対したことして無いのに」
ストーカーは首を横に降った
「うううん
今日の事は、感謝します
私が、彼の元から去ります
今迄のご無礼
本当にごめんなさい」
「いいよ いいよ
謝らなくって
それよりパスタ食べよ
冷めちゃうよ〜」
「うん」
ストーカーは、彼女によって
変化した
姿も心も
そして.........
数日後
彼氏と彼女が
デートしている時に
後ろから
ショートヘヤーの綺麗な女性が
ストーキングしていた
彼氏がそれに気づき
「おい、あれ
ストーカーじゃないのか?」
「うん、そうみたいねぇ」
「なんだよ、あいつ
辞めたんじゃないのかよ
ちょと、行って
ガツンと言って来る」
「余り強く言っちゃ駄目だよ」
「も〜う、お前は
人がいいんだから
じゃあ、行って来る」
彼氏がストーカーの所に
行き、怒鳴りつけた
「いい加減にしろ
お前、俺のストーカー辞めたんじゃ
ないのか?」
ストーカーは、彼を睨みつけた
「はぁ?
お前じゃないよ
ウザいからあっち行って」
ストーカーは、彼女の
方を向き、笑顔で手を
振りながら彼女の元に
走って行った
「彼女さん〜
見て下さい
私、自分で、服買いました
似合いてますか?」
ストーカーは、
ストーカーする相手も変化して
しまった
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