いない
病院内 201号室 14:30
今、僕は病室のベットの
上で高校入試の
参考書を読んでいる
今年が高校受験なのに
病気になってしまい
入院してしまった
何の病気かは
僕は分からない
父さんや母さんに聞いても
「たいした病気じゃない
から、心配するな」と
言って教えてくれない
自分もそんなに
たいした病気じゃないと思う
体の不調はないし
ピンピンしてる
病気なんかより
受験の方を頑張らないと
母さん期待を裏切る訳にはいかない
母さんはベットで
横で優しい笑顔で自分の
事を見ている
僕は母さんの方を
見て微笑み返した
僕
「母さん、僕
病気を早く直して
受験に合格して
母さんを喜ばしてあげるよ」
母さん
「ありがとう
母さんは嬉しいわ
でも、お母さんは貴方が
元気でいてくれれば
いいのよ
あまり、無理しちゃ駄目よ」
僕
「大丈夫だよ
体は全然平気だよ
今から
外に出て走り周る事だって
出来るよ
そうだ!
今から、ちょと、走ってこよう
かな?」
母さん
「駄目よ
貴方は入院してるのよ
母さんを心配させないで」
僕
「嘘
冗談だよ、冗談!」
母さん
「もう〜この子ったら〜
しゅうがない子ね〜」
母さん、僕
「「ハハハハハハハァ」」
病室の中で二人の笑い声が
響いた
母さんは呆れた顔で
僕を見つめている
ガチャ
病室の扉が開く音が
聞こえて見ていると
父さんが笑顔で入っ来た
僕
「父さん
何処にいたの?
遅いよ」
母さん
「そうよ貴方
いつも、直ぐにどっか
行ちゃうんだから」
父さん
「悪い、悪い
ちょっと先生とお話してたんで」
父さんがベットの横に来て
椅子に座った
父さん
「どうだ?
調子の方は?元気か?」
僕
「うん、全然平気だよ
僕いつになったら
退院出来るの?
受験もあるし」
父さん
「ついさっき
先生と話て来たが
もう、少しかかるそうだ
焦らずゆっくり
直して行こう なぁ」
母さん
「そうよ
焦らずゆっくり
行きましょう」
僕
「うん、分かったよ
あーーでも
早く外に出たいな〜」
僕は
日差しが注ぐ窓を見た
外は雲一つ無い
青空が広がっていた
私は息子につられて
太い鉄格子のついた窓を見た
私
「頑張れば、直ぐに出られるよ」
私は作り笑顔しながら
また息子に嘘をついてしまった
いつまで嘘を言い続ければ
いいんだろう
直ぐには、出られる
はずはないのに........
息子が持っていた
電話帳を見て
息子
「そんな事より
勉強、勉強、
母さんの期待に応えないと」
と言いながら
息子は私の横を見て
誰もいないのに
誰かと会話するみたいに
頷き始めた
息子
「なんだよ
母さん、大丈夫だって
もう、母さんは心配性なんだから
ハッハハッハハァ」
息子の一人の笑い声が
病室に響いた
お前にしか見えない母さん
もう、この世にいない母さん
お前が殺した母さん
去年
お前は高校受験に失敗して
家に引きこもるようになり
母さんもお前に期待していたのに
高校受験が失敗しただけで
裏切られたと生むじゃなかった
お前を罵るようになり
そのうち
世間体を気にして
まるで
お前の存在がなかったかのように
お前の事を口にしなくなった
私も悪かった
母さんに逆らえず
お前の事を言おうとすれば
母さんは顔を真っ赤にして
私を睨みつけ
母さん
「あんたは!今迄!
家の事は、無関心だったのに
文句言えるの!
全部私に任しといて
いきなり父親ずら!
よく言えるわね!」
と罵しられ
私は何も言えなくなった
確かに仕事が
忙しく家の事をかまってる
暇がなかった
全部母さんに任せてしまっていた
でも、それは家族のために
家族に不充させない為に
頑張ってきたが........
単なる言い訳かもしれない
今思えば何の為に頑張って
きたのか分からなくなっていた
半年前
仕事が終わり
家に帰宅して玄関を開けると
家の奥のキッチンの方から
息子の笑い声聞こえてきた
久しぶりに我が家に響く
笑い声
誰かと会話してるみたいだった
もしかして
母さんと仲が和解して
楽しく会話してるのかと思い
喜びとい期待を胸に
急いでキッチンに駆け込んだ時
キッチンにいた息子は
全身が真っ赤に染まっていた
手には真っ赤に染まった包丁
足元には背中に
刺し傷が無数にある母さんの死体
息子は私の方を見て
息子
「父さん、おかえり
母さんがねぇ
今日僕の為に好物の
ハンバーグを作ってくれるんだって
ねぇ 母さん」
息子は横向き
私には見えない
母さんと会話を始めた
息子がこうあって欲しい
理想の空想の
自分だけの頭の中にいる
母さん
現実の母さんを排除して
息子は自分の作りあげた世界で
生きるようになった
私はただ
呆然と立ち尽くし
息子が楽しげに
私の見えない母さんと
会話をしてるの見てるしか
出来なった
息子
「父さん、父さん
何、ボーーとしてるの?
母さんが心配してるよ」
我に帰り
息子が電話帳で私の
肩を叩き
心配そうに私を見ていた
私
「ごめん、ごめん
ちょっと考え事してたんだ
あ!もうこんな時間だ
そろそろ行かないと」
腕時計を見ると
16時を過ぎていた
私が立ち上がろうと
した時
息子は私の腕を掴み
寂しげな顔になり
息子
「母さんに
サヨウナラ言わなくって
言いの?」
と言って来た
私は体を横を向き
誰もいない空間に
私
「母さん
そろそろ帰るよ
じゃあな」
と息子と誰もいない空間に
別れを告げて
病室の頑丈な扉に向かった
また後ろから楽しげに
会話が始まり
ドアノブを掴んだ時
息子
「母さんなんて........いない」
私は慌てて
息子の方を振り帰ったが
息子は一人で電話帳を真剣に見ていた
私の幻聴だったのか?
それとも........
私は、これ以上息子を
見ることが出来ず
何も言えずに病室を出た
*統合失調症
主要な症状は、基礎症状として「連合障害(認知障害)」「自閉(自生思考等)」であり、副次的に「精神病状態(幻覚妄想)」など多様な症状を示す
思考の障害
思考過程の障害と思考内容の障害に分けられる。総合的に診て自閉症と重複し、誤診されることもたびたび起こる。
実在しない知覚情報を体験する症状を、幻覚 (hallucination) という。幻覚には以下のものがあるが、統合失調症では幻聴が多くみられる一方、幻視は極めて希である。
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