2014年3月21日金曜日

(姉)






夜、男が自宅の居間のソファーで

妻と

寄り添いながらテレビを見ていた


男は妻の少し大きくなったお腹を

撫でるように

さすり、妻に微笑みかけた


「あと、7ヶ月だね

もう、聞こえるかな?

もしもし?」


「まだ、早いわよ

もう、気が早いんだから!」


「そうかな?

早く顔が見て見たいよ」


「もう、少し我慢して」


妻が男の手を握り

顔を男に向けて目を瞑った


男も目を瞑り妻の顔に近づいき

唇が重なりそうになった瞬間


携帯電話が鳴った


男は心の中で「チッ」と舌打ち

をして画面をを見ると

姉からの着信だった


男は妻の方を見ると

笑顔で


「早く出てあげて、待ってるから

楽しみは、終わってから」


と言われ

男は「ごめんね」と言い

ソファーから立ち上がりキッチン

の方へ向かい携帯電話に出た


「もしもし

なんだよ、こんな時間に?」


「........ごめんね

あんたに話さなきゃ

いけない事があって........」


男は姉の暗い沈んだ声を

聞いて

あの事怒ってるなと思っい

少しイラっとした


「もしかして昨日、

初めて彼女を

うちの家族全員で合わせた時に

赤ちゃんが出来ちゃた事の件?


順番は違うけど

彼女とは、初めてから結婚する

つもりだったから

問題はないだろ


姉ちゃんも彼女と仲良く

話していたじゃん!」


少し怒った強い口調で男は

言った


「あの子はとてもいい子ね

一人っ子で姉妹に憧れてて

「お姉さんが出来て嬉しい」と

も、言ってくれたわ


こんな私を........嬉しいて........


それに、赤ちゃんがいるなんて........


あんたが父親になるのね」


男はただならぬ物を

感じた

姉は何かを隠してる


「そうだけでど........どうしたの?

何があったの?」


「この事は、墓場まで

持って行こうとしたけど


話さなきゃいけない

隠しちゃいけないと思って........


今から話す事は

許される事じゃないと分かってる

けど、聞いて欲しいの........」


男は息を飲んだ

何を隠しているんだ?


疑惑に念が頭の中で渦巻き

始めたが

聞かないと分からない


「何があったんだ?

聞かないと分からない

だから、話してよ」



少し沈黙してから

姉が語り始めた




「...........じゃあ、話すわね



昔の話よ


22年前の話


私が7歳の時


あんたが生まれる前


家族の中で私は一番だった

父も母もおばあちゃんもおじいちゃんも


私を大事にしてくれた


家族が私、中心だった


まるで、お姫様みたいに


言うことをなんでも聞いてくれたわ


ワガママも聞いてくれた


怒られる事も無かった


でもねぇ


赤ちゃんが母のお腹に

出来てから


状況が一変したの


私が家族の中心じゃ無くなったの


赤ちゃんになったのよ


ワガママ通じなくなった


怒られるようになったは


「もう、お姉ちゃんに

なるんだから、しっかり

しなさい」て


何度も怒られたわ


家族の話もいつも

赤ちゃんの話


その時、私の心の中で

醜い憎悪が生まれたわ


赤ちゃんさえ


いなければ


家族は私だけの物なのに


赤ちゃんが生まれる前に

毎日、神様にお願いしたわ


赤ちゃんが生まれないようにて




でも、赤ちゃんは生まれた



出産を終えて

お母さんが赤ちゃんを

抱いてるのをお父さんと見たわ


醜い猿の顔していた


心に思ったのは


これが私の家族を奪った物?

こんな醜い物が?


赤ちゃんは直ぐに新生室に

行ったわ


そして、私は、ワガママを

言ったの


「お母さんと一緒にいたい

お母さんと寝たい

お願いだから!」


泣きながら、必死にお願いしたの


お父さんは呆れちゃて

「駄目だぞ!お母さんは

疲れてるだから!」

と言ったけど


お母さんは私の頭撫でながら

「いいわよ

寂しかったのね

病院の人にお願いしてすれば

大丈夫よ一日ぐらい」

と言ってくれて


夜、お母さんの病室の

ベットで寝たわ


夜中にふと目が覚めたの


お母さんの顔見たら

グッスリ深い眠りについて


私はベットから抜け出して


新生室の行ったの


そして


いっぱいいる赤ちゃんの

中から


お母さんの産んだ赤ちゃんを

ジッと見つめていたわ


凄い小さかった


顔も両手に収まるぐらいの

ボールみたいに


スヤスヤと寝ていて

胸を膨らましたり

ちじめたりして


面白かった


そして、ちょとだけ頬を

触ってみたの


そしたら、


大声で泣き始めて


私はビックリして慌てて

赤ちゃんの口を塞いだの


最初のうちはジタバタ動いて

たけど


段段動かなくなり


顔もスーと青くなってきたわ


どうしよう!どうしよう!と

思いながらも

こいつさえいなくなればと

冷静な私もいた



手を離せば

赤ちゃんは助かったけど


手が動かなかったのよ

















そのまま

赤ちゃんは死んだわ」



男は声が出せなかった


生々しい告白にただ

耳に入れる入れるしか出来なった


こんな事があったなんて........


いつも世話を

焼いてくれる

優しい姉に恨まれていたなんて


でも


おかしいと思った


今この俺は生きている


なんだ!ドッキリかと

思い男は胸を撫で下ろした




「待ってよもう

脅かさないでよ!


ビックリしたよ


変な事言うだもん


俺!生きてるじゃん


もしよ


その話が本当だったら

俺は誰だよー」


男が笑いながら話したが

姉の笑い声は

受話器から聞こえ無かった


男の話を無視して

また語りの

続きが始まった


「........赤ちゃんが死んで

私はホッとしたは


これで、邪魔ものは

いなくなったって


でもね


その後、お父さんとお母さんの

悲しむ顔が浮かんだの


このままだと

二人は悲しむて


悲しむ顔なんて見たくない

と思って



近くにいた

同じ人に生まれた赤ちゃんを

すり替えたのよ



死んだ弟とあんたを



本当ごめなさい


後悔してるわ


謝っても謝りきれない


あの時の私はどうかしてたの


本当........本当........


ゆる........し........ううっううっ


うう........」


受話器の向こうで泣き崩れる

姉が想像出来た


なんて........ことだよ


そんな事知らずに今迄で

生きてきた


本物の家族と思っていたのに


優しい姉だと思っていたのに


男の中で怒りか憎しみか

悲しみか、色んな感情が


湧いてきた


頭がパニックになりそうに

なっていた


男は携帯を強く握り締め

大声で叫んだ


「何故?何故だ!


喋ったんだ!


黙っていれば、こんな気持ち

ならず済んだのに!


何故だ!」


妻が異変に気づき

心配な顔して

近づいて来た


受話器の向こうで姉が

涙を堪えて


力無く答えた












「あの子は、あんたの妹なのよ」




妻が心配そうな顔で話しかけて来た


「大丈夫?どうしたの?」



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