2014年3月12日水曜日

渇き

(渇き)





昼下がりの公園で


親子三人がブランコで遊んでいた


母と父は20代後半の若い夫婦で

子供は4歳ぐらいの


ほっぺの赤い丸顔の可愛らしい

女の子だった



その様子を一人の男が遠くの

植え込むの茂みから隠れながら

三人の様子を覗いていた





はぁ〜


まるで絵に描いたような

理想の家族だな


良かったなぁ


俺から離れてそいつと

家庭を持って


お前が幸せなら、俺は嬉しいよ


でも、夜、一人でベッドで寝ると


寂しくなるよ


今でもお前の事を昨日の事のように

思い出してしまう


お前の体を求めてしまう

自分がいるよ


あの透き通る肌を体で触りたい


柔らかい乳を手で味わいたい


暖かい体温感じたい


あの激しく荒々しい喘ぎ声を

耳元で聞きたい


背中から責めらるのが好きだったな


あの頃は毎晩


狂った様にお前の体を求めていたな


それがいけなかった


丁度5年前ぐらいに急に


体を拒み始めた


体調が悪いだの、生理だの

とか言い訳して


流石におかしいと思い


問いただしてみると


別に好きな人が出来たと言いって

きた


その人は体じゃなく


私の心を好きになってくれたとか

言ったな


ショックだったが


自分も分かっていた


抑えがきかない性への執着


求めても、求めても


直ぐに渇き


また、体を求めてしまう


潤わない感覚



お前はそれに

嫌気さしていたんだよな


自分はわざと


「浮気したな!俺以外に

好きな奴を作りやがって!」と

言い


口論に持ち込んだ


あの夜は激しくお互いが

言い争いをして


次の日の朝


君はいなくなったね


後悔していなかった


これで、良かったんだと思った


お前に言いたいよ


本当にお前の事を愛していたから


体だけじゃない

お前の全部が好きだった


それを分かってもらいたかった


こうしてたまにお前の


様子を隠れて見に来てしまう


でも

お前の事は、忘れられそうだ



新しい相手を見つけたから

大丈夫だよ





そう思いながら男は


家族を見つめていると


母親と目があってしまった


ヤバイと思い

男は植え込むに隠れた


バレたか


今までバレなかったのに


気が緩んでいたか


でも、大丈夫だろう


遠くから覗いていたから

気づいてはいないはず




男は時間をおいてから


また恐る恐る


覗き込もうと茂みから顔上げると


目の前に母親がいた



























母親

「お父さん!何してるの!」


母親はまるで汚い物を見るよう

な目つきで、自分の父親を

見ていた


男は娘の顔見れなかった


「...............いや.....その.....

お前の様子が.....気になってな」


娘は唇を噛み締めて


「私に何をしてきたか

分かってるの?

お母さんが死んでから

私にしてきたこと!」


激しい感情を抑えながら

小さい震える声で言った


男は真剣な顔で娘の目見て


「分かってるいる

本当にすまなかった


自分はどうかしていた


本当に酷い事をした


でも、許して欲しいんだ


もう、絶対、お前には手を出さない

本当だ!


お前が幸せになった姿を見て

嬉しいんだ


幸せな家庭を持てて


本当に良かった.....」


男の目から涙が零れた


娘の顔が少し綻んだ




「本当に......反省してるのね.....」


父親

 「おい、誰と話してるんだ?

もしかして君のお父さんか?」


いつの間にか

ブランコで遊んでいた

父親と女の子が後ろにいた


「.....うん.....私のお父さん.....」


父親は男にお辞儀した


父親

「初めまして

会いたいかったですよ

家内に父親とは縁を切ったと

言われて

でも、結婚するなら会いに行こうと

言ったんですけど

断られて」


「そうなんですか

いい父親では、無かったんで.....

娘と結婚してくれて

ありがとうございます」


男は父親と強く握手をしている


風景を母親は見て


やっと、笑顔になった


父親の足元に女の子がしがみついて

顔を半分隠しながら男を見ていた


父親

「ほら、何!隠れているんだ

おじいちゃんだよ

挨拶しなさい」


女の子

「こんにちは.....」


男はしゃがんで女の子の

頭を撫でた


「こんにちは、可愛い顔してるね」


男は満面の笑みを浮かべた









それを見た瞬間



娘の顔から笑顔消えた



娘は何か感じた



私を初めてした時の

同じ笑顔




笑顔の奥に潜むおぞましい


欲望と渇き




もしかして、あの事も


気づきたのかも知らない








女の子の本当の父親は誰なのかを.....




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