2014年1月3日金曜日

牡丹雪

(牡丹雪)





昼下がり

冬休みの学校の廊下


生徒がいないと嘘の

ように静寂に包まれていて

外は黒い雲が空を覆っていた


学校の中は薄暗く不気味

な感じを演出している


学校に赴任してから八月


新人女教師として受け持った

クラス

生徒皆は私を受け入れてくれて

イジメとか問題無く


無事にここまで来た


あと四月で生徒は卒業


無事見送るが出来る


いい子ばかりで本当に

助かってる


自分のクラスの教室を

覗くと女の子1人

机に座っている


あれは、いつも影薄く

控え目なウチのクラスの

女の子のAさんだ


何してるのかしら?


ただ下を向いて座ってるだけで

動かない


後ろから脅かしてみようかしら


そっと、後ろの扉から入り


女の子の背後に回り

行き良いよく肩に手を置いた


「バァー!


ビックリした?」


女の子はビックリして

先生の顔を見た


その顔は青ざめいて

時間が経っても体の震えは

止まず先生の手に伝わって来た


何かがおかしい?


先生

「もう、こんな時間よ

家に帰らないと」


女の子

「..........」


女の子をよく見ると

あちらこちらにアザがある


もしかして

イジメ?それとも家庭内暴力?


何で今まで気づけなかったのかしら

浮かれていた

私が馬鹿だった


先生

「どうしたの?そのアザ?

もしよかったら先生に

話して貰えるないかな?」


女の子

「..................」


女の子は下を見たまま

何も喋ってくれなかった


先生

「ごめんね

今まで気づいてあげなくって

先生、力になるから

絶対に見捨てないから」


女の子は震えながら


小さい声で喋り始めた


「先生..........先生..........なんで


なんで..........
























死んだんですか?」


え?


私が?


頭の中で微かな

記憶が読みがえってきた


そうだ


私、死んだんだ


横断歩道で車で跳ねられて



それに気づかず学校を

彷徨っていたんだ


女の子を見ると体が硬直して

縮こまり震えが酷くなっている


怯えているんだ


先生

「ごめんね

脅かして、もう、消えるわ..........」


女の子は顔上げて

始めて聞くぐらいの

大きな声で喋った













「違うの!違うの!

先生にありがとう言い来たの❗️


先生私の事かばってくれたの


横断歩道で車に引かれそうに

なった時


先生が..........先生が..........


私の事を突き飛ばして..........


う、....う..........私のせいで

私のせいで..........」


女の子を見ると顔が

クシャクシャになるぐらい

涙をこぼして泣いている


完全に思い出したわ

終業式が終わり

帰り道にAさんが横断歩道で

居眠り運転のトラックに

引かれそうになったのを..........


後悔なんかしていない



先生

「私が突き飛ばした

アザなのね


安心した


最低な教師ね生徒を泣かせて

しまって」


女の子は大きく首を

横に振った


女の子

「先生は最高の先生です

先生!先生!先生!


うわァァァーー」


女の子は

抱きついて大声で泣き始めた


でも、もう消える時間


私は微笑んで

女の子の頭を優しく撫でた


先生

「死んだのはあなた

せいじゃないわよ


あの時、あなたが

死ななくって本当に良かった


私が身代わりになるなんて

安いもんよ


でも、ごめんね

一緒に卒業迎えられなくって


見てるから

生徒皆が卒業出来るのを

ちゃんと見てるからね」




そして、私は消えた



女の子はしゃがんで

泣き続けた


微かな小さい声が聞こえた


「ほら、外を見てごらん」


女の子は

腫れた目をこすりながら


外を見ると


雪が降ってきた


先生がもう、泣くかなくっていいよ

と言ってるみたいに


優しく綺麗な牡丹雪が舞っていた




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