金
「わははははぁぁぁ
うううううううううーーーー!」
笑いが止まらないし
涙が止まらない
遂にやった!
遂にやったぞ!
3億円ゲゲゲゲGETしたぜ!
夢にまでみた三億円
本当に夢じゃないんだ
宝クジで三億当てたんだ
新聞で数字が合ってるか
10回ぐらい見直した
確かにあってる
このボロアパートからも
おさらばだ!
やっと今まで苦労が報われる
「うううううう〜」
宝クジが滲んで見える
滝のように出て来る涙が
止まらない
昔から億万長者に憧れていた
子供の時からの夢だった
どうすれば億万長者に
なれるか考えた
俺は自分の事をよく知っていた
勉強は出来なかった
運動も苦手だった
これといった特技もなかった
顔も普通だった
小心者で悪さも出来ない
こんな俺が億万長者になる
方法は一つ!
宝クジで三億円当てるしかない!
宝クジを当てる為なら
何でもした
三億円の宝クジが
ある度に
当たりが多く出る売り場に
一番乗りで買いに行き
毎朝
近くの神社にお参りもした
運がつく様に
バスで席を譲ったり
道端のゴミを拾ったり
一日いい事を三回以上した
給料のほとんどを
宝クジにつぎ込んで
生活費を切り詰めるだけ
切り詰めた
タバコも吸わない
酒も飲まない
同僚や友達に遊びや
飲みに誘われても
全て断わり続けて........
友達は一人もいない........
一人も........
家族もいない........
高校時代に両親は二人とも
癌で亡くした
仲良く二人で.......
俺の事を置き去りにして.......
寂しく何て無い!
人なんて信じない
直ぐに裏切るし
憎しみあう
お金は裏切らなし逃げもしない
それにお金があれば
何でも出来る
現代の魔法だ
欲しい物が手に入る
何処でも行ける
人だって集まって来る
なんでも叶うんだ!
「わははははははぁぁぁ」
笑いが止まらないや!
「あああああぁああぁぁぁ」
笑い過ぎて胸が痛くなってきた!
「あぁぁっぁぁううっううぅぅ」
あれ?
凄い胸の中が締め付けられる
ようで痛い
苦しい
呼吸がしづらい
「うーーーうーーぅぅぅ........」
ヤバイかも
もしかして........まさか........
次の日
先生
「まず、これを見て下さい」
病院の先生が
昨日撮ったレントゲンを俺に見せた
先生
「分かりますか?
右肺の所に大きな影がありますね」
確かに俺の肺の所に大きな
影があった
その影を見た時
昔を思い出した
そうだ.......高校時代の時だ
両親も同じレントゲンで
同じ影があった
先生
「大変申し上げ難いですが........」
俺
「分かってます 、悪性の癌ですよね
自分の両親も同じ癌で
亡くしました」
先生
「........そうですか
でも、今は化学療法や放射線療法
がありますから
遅らせる事は可能です」
俺
「遅らせる?
どれぐらいですか?」
先生
「........半年ぐらいは........
でも、他にも治療が合って........」
俺
「治らないですか!
金ならあります
幾らでも、出します」
必死で先生に訴えが
先生の顔色は押し黙って
暗いままだった
俺はその顔を見るのが
我慢できずに診察室を
飛び出してしまった
畜生!
やっと手に入れたのに
これから夢のような
幸せが待ってるはずだったのに
なんでだ!なんでだ!
なんで俺ばっかり
不幸が来るんだ
幸せの絶頂から背中を
押されて
不幸という奈落の下に
突き落とされなきゃいけないんだ!
涙が零れて来る
抑えようとしても
次から次へと出て来て
しまう
昨日の涙と違う涙が
手で涙を隠しながら
病院を出た所で
誰かに肩を叩からたのに
気づき
振り返ると
そこには神父の格好したを
した
40代ぐらいのおじさんが
立っていた
あ!そうだ
病院で俺の次に
診察を待っていた人だ
神父
「どうしたんですか
何かあったんですか?」
俺が泣いて出て来たから
心配してくれたんだ
でも、今はほっといて欲しい
俺
「いや........何でもないです」
神父
「そうですか
それならいいですけど
もし、話たい事や
心の中で溜まってる物が
あったら聞きますよ
話せば........少しは、楽に
なりますよ」
そう言って
神父は俺に優しい笑顔で
笑いかけてくれた
その笑顔見て
つい、
自分は過去の両親の事
宝クジで人生を費やした事
宝くじを当てた事
そして周り誰もいなくなった事
癌になった事
全部を道端で泣きながら
吐いてしまった
神父ただ
頷いて聴いてくれるだけだった
全部喋り終わり
涙も枯れた時
やっと神父が喋り出した
神父
「そうですか
そんな事があったんですか
辛かったでしょ
貴方は金の魔物に取り憑かれて
いたんですよ
寂しさを紛らわす為に
お金は何もしてくれません
悲しんでもくれません
貴方を愛してくれる事も
ありません
今からでも
遅くありません
お金から解放されなさい
そして、神に祈りを捧げるのです
そうすれば
貴方は救われるでしょう」
神父は最もらしい事を
言ったが
腑に落ちなかった
俺
「救われる?
何が? 癌でも直して
くれるんですか?
神に祈れば癌治るんですか?
話を聞いてくれたのには
感謝しますけど
ありがとうございます
でも
神を信じる事は
悪いけど出来ません
神なんで俺に
こんな辛い目に合わせたんですか?」
神父は俺に聖書を
渡してきた
神父
「これは、神が
与えた試練です
聖書を読みなさい
そうすれば
自ずと道は開けます」
俺は聖書を受け取り
神父に一様
礼を言い神父と別れた
神の試練?
ふざけるな!
こんな試練望んちゃいない
あと、半年しか命がないんだ
欲望の思うままに
最後の時を過ごしてやると
思い街に行った
なんでも買える
なんでも食べれる
なんで出来る
ポケットに入っている
宝クジを握り締めながら
店を見て回ったが
欲しい物が一つもなかった
食べたい物が一つもなかった
したい事が一つもなかった
今まで倹約に生きていた
せいか
貧乏性が体に染み付き
金を使う事に喜びを
見出せなかった
何て事だ
今更ながら
神父の言葉がみにしみて来た
自分に情けなくなり
落ち込んで歩いていると
駅前で
10歳ぐらいの
少女が一人で募金活動をしていた
少女
「お願いします
恵まれない子供の為に
寄付お願いします」
少女は早足歩く大人に
必死に声をかけるが
誰一人少女を見ずに
とうり過ぎた
それでも少女は声を
出し続けた
少女
「お願いします、お願いします」
俺は自然に足が少女の
方に向かっていた
そして、ポケットから
一枚の紙を募金箱に入れた
少女は俺を見て
嬉しいそうに
少女
「ありがとうございます」
と大きな声で礼を言った
後悔なんかしていない
いいんだこれで
俺が持っていても
しょうがない
これで子供達の命が救われば
少女の笑顔だけで十分だ
何か解放された気分だ
俺は少女に「がんばってね」
と言い
安いビールを買い
ボロアパートに帰った
次の日
家の電話が鳴り響いた
電話の音で目が覚めて
眠い目こすりながら
周りを見ると
部屋に太陽の光が差し込み
テレビの
朝のニュース番組の声が聞こえた
もう、朝か
ヤバイ!テレビも付けっ放しで
寝てしまった
ビール一本で寝てしまうとは
電話ひつこく鳴り響き
しょうがなく出てみると
病院の先生からだっら
先生
「よかった、やっと
出てくれましたね」
俺
「どうしたんですか
朝から、治療の件ですか?」
先生
「それがね
言いにくいんだけど........」
俺
「なんですか
勿体ぶらずに、言って下さい
もしかして、癌が消えたとか?」
冗談のつもりで言ってみたが
先生
「そうなんだよ」
俺
「え?」
それを聞いた瞬間
理解出来なかった
癌が消えた?
先生
「まぁ、消えたんじゃ
なくて、誤診というか
君の次の人とレントゲンが
入れ変わっていたんだよ
本当に申し訳ありませんでした」
それを聞いた時
俺の次の人は誰だか
考えた...........
神父だ!
先生
「いや〜君に直ぐ電話したんだけど
電話に出なかったから
明日の朝でいいかと思ってね
癌じゃなかたし
本当に申し訳なかった」
先生が受話器で話していたが
全然耳に入ってこなかった
それより
テレビのテレビのニュースに
意識がいっていた
キャスター
(昨日のお昼過ぎ
街角歩く女性に淫らな行為を
しようとして
43歳の職業牧師の男が逮捕されました
男は警察に取り押さえられる時
「俺が何をした
神に使えたのに、なんでこんな
目に合わなきゃいけないんだ」と
叫んでいたそうです)
あの神父
捕まったんだ
おい、あんだけ偉そうに
言っていたのに
やっぱり、いざ自分が
なると人は変わってしまうんだな
そして
意識が受話器に
戻った時には
電話はもう切れていた
あの糞医者、電話切りやがったな
そして深い溜息が出た
...........三億円が
落ち込んでる時に
聞き覚えのある声が
テレビから聞こえてきた
(少女
「はい、私が駅前で
募金活動してる時に
お兄さんが入れてくれたんです」
レポーター
「よく覚えていましたね」
少女
「はい、昨日は全然募金が
集まらなくって、落ち込んでる時に
入れてくれたんで覚えています
宝クジだったんで
300円ぐらい当たり券かと思って
いたら」
レポーター
「まさかの
三億円だったんですね
世の中には、太っ腹の
人もいるもんですね
最後に
もしかしたら見てくれてる
かもしれないんでテレビに
一言お願いします」
少女
「本当にありがとうございます
このお金は大切に使います」
レポーター
「こちらからは、以上です」)
少女はテレビの中から昨日と同じ
可愛い笑顔
俺に笑ってくれてた
なんだか笑いがこみ上げて来た
「はははははははぁーー」
しょうがないか!
また、当てればいいさぁ
今度は軽い趣味程度で
頑張るか!
ビールをゴミ箱に捨てて
朝の日課になっいる
神社に向かった
一様、神様に礼ぐらい
言わないとな
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