2014年4月14日月曜日

啼く

啼く




ある男が

二階の丁度真ん中にある

真っ黒く焼けたアパートの部屋を

外から覗いていた


(フフフゥ

ざまーみろ

俺の事を毎日馬鹿にした罰だ!


ゴミだの、クズだの、

罵りやがって


しまいには暴力まで振るって

来やがった


棒で叩こうなんて

頭がおかしんじゃないか


いつか、復讐してやろうと

思い

見つからないように

毎日後を付けた甲斐があった


あの野郎

自分のアパートに近くに

煙草のポイ捨てしやがって


それもまだ、煙が出ていて

火が消えていないかった


これはチャンスだと思い


まだ火のついていた

吸い殻を

あいつのアパートの玄関にある

山積みになっている

新聞の上に置いてやった


まさか、あんなに上手く

燃えるとは


木造のアパートだから

新聞さえ燃え広がれば

あっというまだったな


燃える、燃える


窓からあいつのもがき苦しむ姿が

面白かった


火が部屋を包み逃げ場所が

無くなり


煙にから必死に逃げようと

咳き込みながら


うろたえる姿


最後にあいつが

眉間に皺を寄せ

細い目で目が合ったが


悲しみなのか憎しみなのか

分からん顔していたな

まぁ

自業自得だ、楽しかったよ


ん?


なんだ?あいつら

何してやがるんだ?)



焼け後のアパートでは

出火原因となった二階の

玄関先で

二人の若い刑事と

年配の刑事が出火原因を

調べていた


若い刑事

「ここが出火原因と見られます」


年配の刑事

「そうか、

死亡者は男性一名だったな

で、出火原因の元となった

物はなんだ?」



若い刑事

「玄関に新聞の束が置いて

あったみたいです

そこに火がついた煙草が

原因でそこから燃え広がった

みたいです


事故と放火の疑いで

調べてみますか?」



年配の刑事

「事故と放火か

事故にしてみても

ここで煙草を捨てるのは

ありえないどろ

それも二階だしな


放火でも、なんで煙草なんだ?

ライターで付けた方が

早いだろう?

わざわざ煙草で........

うーーーん

何故だ?分からん?」


若い刑事

「そうですよね」



男は考え込んでる男達を見て

滑稽でおかしくなり


大声で笑ってしまった



その声が年配の刑事の耳に

入り男を睨んだ





















年配の刑事

「なんだ!あのうるさい

"カラス"は!」


カラスは電信柱の所に

止まっていて

まるで二階にいる刑事達の

様子を見ているようだった


そして

刑事達を嘲笑うように

カラスは啼き続けた




カカカァーカァーカァーカァー





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